日本で多い木造建築物の大敵の一つがシロアリではないでしょうか?
いつの間にか侵入して、気づいたころには柱はボロボロなんてことも少なくないんです。
自分が見たリフォームの現場でもシロアリの被害は見たことがありますよ。
今回は、そんなシロアリの生態などを把握して、被害の予防や処置がDIYでもできるのか考えてみますよ~
木造の家の大敵シロアリとは?
まずはシロアリがどんな生物なのか簡単に把握していきますよ。
シロアリは主に枯れた植物を食用としている社会性昆虫です。
日本で見かけませんが、砂漠にぽつんと出来ている蟻塚ってたいていシロアリによって作られているんです。
アリのように女王シロアリを中心としたコロニーを形成し、コロニーには数百から数百万のシロアリが生活していると言われています。
女王シロアリは世界で最も長寿の虫と言われており、30~50年間も生存しているものもいるそうですよ。
一方で我々がイメージするシロアリはイエシロアリで、木造家屋などに棲みつき木材を食い荒らす害虫として認識されていますよね。
枯れた木を食料としている上に集団で行動するので、木造建築には大敵の生物となっているんですね。
なお、木を食料にできるのは植物の細胞にあるセルロースという成分の分解することができるからなんですよ。
ちなみにシロアリ、蟻塚と呼ばれているのですが、蟻の仲間ではないんです。
次はそれについて紹介しますね。
シロアリはあの昆虫の仲間だった
生い立ちは3億年も前?
シロアリは朽木などを食べるゴキブリの中から社会性を著しく発達させた系統の昆虫なんです。
幼虫の形態から姿があまり変わらない不完全変態のため、幼虫は成虫とほぼ同じ姿なのが特徴ですね。
蟻は幼虫と成虫の形が全く違いますからね。
その生い立ちはさかのぼること3億年以上も前に、湿気の多いジャングルに棲むゴキブリの中で朽ちた木だけを食べる物が現れたことだそうです。
やがて、消化器官に微生物をすまわすようになり、朽ちた木だけを食べて、樹木の中で一生を過ごすようになっていったのだと考えられているそうですよ。
狭い空間で多くの個体が生活するようになるためアリと同じように社会性を築くようになったと考えられていますが、やはりアリとゴキブリでは違いがあるようですね。
シロアリとアリの違い
上記のように、シロアリはゴキブリの仲間です。
一方、アリはハチの仲間ですから似て非なるもの。
その違いをまとめてみました。
シロアリ | アリ | |
分類 | ゴキブリ目シロアリ科 | ハチ目アリ科 |
変態 | 不完全変態 | 完全変態 |
働きアリ | 雌雄存在 | 雌のみ |
兵アリ | 殆どの種で分化 | 大半が分化しない |
女王アリ | 働きアリと大きく異なる外形 精子を体内に溜められない | 働きアリが大きくなった程度の外形 精子を体内に溜められる |
蟻と違って木材自体を餌にしているので「餌場=巣」となっていますよ。
これらの生態を把握したうえで、シロアリの対処方法を考えていきましょう~
シロアリから大切な家を守るにはどうする?
ここまでに紹介したように日本の家屋に多い木造建築では、シロアリによる被害が恐れられていますよね。
特に家の構造を維持する柱や土台に使われた木材をシロアリに喰われてしまうと、一気に強度が下がり倒壊の危険性が高まります。
このような事を防ぐために、予防やできるだけ早い処理をしておきたいですよね。
では、実際にDIYでできる作業とポイントについて紹介していきますね。
被害に遭う前に予防(防蟻処理)するのが最善
シロアリは湿った所が大好き 乾燥させればリスクは減る
シロアリは湿度が高い朽木に巣を作ります。
つまり、乾燥している木は好きではないのです。
ですから、被害に遭い易い床下の通気を良くして乾燥させていれば被害に遭う確率は下がるんですね。
また、特に湿り易い台所や風呂場などからの水漏れを定期的にチェックするのも効果的ですよ。
▼ 床下調湿剤を利用するのも方法の一つだよ ▼
自分で防蟻処理することもできる
有毒な薬剤を使用しますので、防護服などを準備できればDIYでも防蟻処理する事は可能です。
しかしながら、狭い場所での作業が続きますので、かなり大変ですね。
台所や風呂場などの一部だけを処理する場合などに限られる対応だと思いますよ。
▼ 自分で防蟻処理をするなら ▼
▼ 業者を呼ぶならこちらを利用してみてね ▼
シロアリ予防用のキットの設置なら簡単
DIYにて防蟻剤をスプレーすることもできないことはないんですが、やっぱり相当大変です。
できれば、常にシロアリの侵入を防ぐことで対応したいですよね。
家屋の周辺のシロアリをおびき寄せて駆除してしまうことで被害を防ぐことが出来るんです。
下のような駆除キットを購入して、床下やシロアリが潜んでいそう(侵入してきそう)な場所に設置しておく事で、周辺のシロアリを駆除してくれますよ。
これなら購入して置くだけですから、DIYで簡単に対応できますね。
既に被害に遭ってしまった場合にDIYで出来る事
被害が軽度なら十分復旧できる
運よく、家屋への被害が小さいうちに見つける事が出来れば自分でも対応ができます。
被害に遭ってしまった柱(巣)に対して、殺虫剤をかけたいところですが、これは止めましょう。
少し気長な対応になりますが、まずは掃除機で周辺のシロアリを吸い取ってください。
更に近くに駆除駆除剤を設置しておけば、残りのシロアリも駆除できますよ。
▼ シロアリ駆除剤はこれだよ ▼
その後、周りを含めて防蟻処理スプレーを使って防蟻処理などを施しておくと良いですよ。
また、まだ被害が初期なら柱の補修までは必要ないと思いますが、シロアリがいるのは湿気が多いからです。
柱が腐り始めてしまっているかもしれないので、特に換気などに気を付けてみて下さいね。
▼ 防蟻処理スプレー ▼
柱が朽ちるほど重度の被害の場合には
柱の強度が殆ど無いほどに食害されてしまった場合には、DIYで処理する事は難しくなってきます。
この場合には、被害にあった部分の柱を切り取って新しい柱に入れ替えることになりますから大工工事がメインになってきますね。
もちろん、知識のある方なら可能ですが、危険を伴う作業になることもあるので専門の業者さんや大工さんなどに頼む方が良いと思いますよ!
▼ この場合には業者さんを探してね ▼
最後に、シロアリは害ばかりじゃないよ
ここまでシロアリがただ悪者のように紹介してきましたので、最後に良いところも紹介して終わりにしたいと思います。
まずは、自然界では貴重なたんぱく源として利用されています。
オオアリクイやチンパンジーなど、シロアリを好んで食べる動物は少なくないようですよ。
ゴキブリの仲間と言われるとゾッとしますが、シロアリには6%程度のタンパク質、0.1%程度の鉄分が含まれ、栄養価値は高いといわれており、自然界ではたんぱく質源として優秀な食料のひとつです。
また、人類でも食料とする地域や民族があるようで、スーダンなどではこれらの羽アリを採取し、油で揚げて販売されていると言います。
南米先住民は生食で、フィリピン、中国、タイでは素揚げやスープなどにして食べられているようですね。
ちょっと自分は食べれるかわかりませんけど。。。
また、シロアリの消化器官内には共生菌が棲んで居ます。
この共生菌によるセルロースの分解がバイオエタノールの生産に役立つと期待されおり、琉球大学や理化学研究所等で研究が進められているそうですよ。
プラスチックを分解する能力も期待されており、近い将来プラスチックをシロアリが分解してくれるような時代が来るのかもしれませんね。
以上のように、木造建築には害ばかりのシロアリですが、役に立つ面もあるんですね。
シロアリは見た目もちょっと気持ち悪いので、DIYで処理するのをためらうかもしれません。
でも自然界では良いところもあると考えれば少し見方が変わりますよね。
とは言え、被害に遭わないのが最善の策です。
是非、DIYでシロアリ駆除剤をつかって被害を予防してみて下さいね~
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